入院五日目

T先生登場
 月曜の朝は、病棟全体で採血があるとのことで、看護師さんが来られる時間も早めでした。
 ところで、K先生が主治医と思っていた私ですが、この日、もうお一人医師が来られて、自己紹介されました。T先生です。先週は出張されていたとのこと。入院計画の書類等でわかったのですが、この方が主治医で、K先生は担当医ということでした。K先生がレジデントだからなのか、チーム医療なのだからかはわかりませんでしたが、先生がお二人つくというのは、病状説明も繰り返し聞くことになりますし、表現も先生それぞれでこちらの理解も多角的になりますし、ありがたいことだと思いました。先生方を見ていると、つくづく医師というのは、体力も充実していないと勤まらないのだなと思います。K先生はラグビーをされていたようですし、T先生はテニスかな?
 T先生は明朗快活な方で、初対面にも関わらず他人行儀な距離感がなく、安心感の持てる医師でした。ただ、微熱が続いていますと訴えると、私の額に直接手を当てられたのは少々面食らいました。普通、額に手を当てて熱を確認するのは、家族だけでは?先生にすれば、看護師さんにデータを聞くより早くて、現状把握には確実と思われたのだと思いますが、T先生には、その後の診察等でも判断の早さに、感心したり、今それ聞く?と面食らったりすることになります。その頃には、搬送されたこの病院が心臓疾患の治療に実績があり、ここ数年さらに力をいれていることが看護師さん等の話からわかってきました。T先生も数年前にK大学病院から請われて移られてきたようでした(実はこの表現は正確ではなくて、K大学循環器内科は関連病院を有していて、今回入院した病院もその1つ。K大学循環器内科と関連病院の間での連携した人事異動により、多様な臨床経験を積む機会、また、関連病院では循環器内科医局の先輩が後輩を育てる文化が育っており充実した後期研修が期待できるとのことでした。T先生もK先生も、K大の御出身で、今もK大学病院の局員でもあるようです。各病院への派遣人数や職位の高い先生のお名前は、K大学病院循環器内科のwebサイトに紹介されていました。T先生のお名前ももちろんありました。)。

院長回診
 午後は、院長(センター長?だったかも)回診があるとのことで、午後の体温測定とベッド周りの掃除のあとに、回診の際は直接聴診器をあてられることもあるので、上半身はタオルをかけただけの状態で横になっているように指示されました。看護師さんたちも緊張されている様子でした。
 回診は、「白い巨塔山崎豊子さんの小説。知ってますか?この例えもそろそろ通じない時代になっているとおもうのですが)、そのものでした。院長先生を先頭に、医師と看護師が何人も従っています。一人一人ベッドをまわられて、私は院長先生に「今まで、こういうことは無かった?発作は初めて」と聞かれ「ありません」と一言。T先生がテキパキと診断と今後の方針について、話されていました。周りの緊張が移ったのか、あまりこのときの話は覚えていません。

検査いろいろ
 この日は、そのあと検査室で、尿の細菌検査(発熱との関係か?)、レントゲンを取り、特殊な心電図をとり、今後長く飲む必要のある薬の副作用が目や肺にでることがあるということで、視力検査と肺活量を測定しました。この日は、自分で歩いて一階の検査室に出向いたのですが、実はまだ許可がおりていなかったみたいです。一階まで送って下さった看護師さんと別れて、一迎えにきて下さる看護師さんを売店の前で待っていたときに、T先生が通りかかり、驚いてられました。翌日からは、一階へは車いすでの移動となってしまいました。うーん、検査とはいえ歩けるのは気分転換になったのですが。

やったねシャワー許可
 さらに、シャワー許可も出たのですが、清拭は済んでいたので、翌日の予約をとっていただく。翌日は不整脈の原因検索のための造影MRIの検査が入っていたので、その前にと看護師さんと相談した結果だったのですが、検査当日は朝食抜きになるので、何か異変があると大変なのでシャワーは不可ということで、急遽今日シャワーにゆくことに。心電図の電極を外していただき、着替えを持って、同じ階のナースステーションの前のシャワー室に出かけました。看護師さんに声をかけて入室。介助用の浴室とシャワー室の二室があり、洗面台の横に脱衣籠がイスの上に置いてあるだけでの広さではありましたが、シャンプー(メリット)とボディシャンプー(ダブ)もおいてあり、ドライヤーもかしていただけます。四日ぶりのシャワーは、体調の急変があったらどうしようと不安の中でのものだったのですが、髪もあらって気持ちよく、点滴の管を止めていたテープの跡のベタベタも洗えてすっきりしました。ただ、心電図の電極のベタベタは石けんでは落ちないようで、後で専用の除光液のようなものをお借りして落とすことになりました。カテーテルの針が刺さっていた手首と右足の付け根は、内出血で青やら黒やら黄色やらになっており、これは消えるのに一ヶ月くらいかかりました。
 夕方、翌日の造影MRI検査についての、説明、問診を受け、同意書に記入。なんだかんだと忙しい一日になりました。

医療費の「限度額適用認定申請書」について、職場から返信あり。自分で直接申請する方が早そうなので、夫に頼むことにする。

2016年8月27日記