PET/CT検査

 2015年11月8日未明に、持続性心室頻拍を発症し、入院。16日に、カテーテル・アブレーションを受け、翌17日に退院しました。積極的には疑っていないけれど心サルコイドーシスという難病が隠れていないかPET(陽電子放射断層撮影 ポジトロン・エミッション・トモグラフィー(Positron Emission Tomography))という検査を受けるために、Q大病院を紹介されました。

 「積極的には疑っていません」という先生の言葉を信じて、心サルコイドーシスという難病とは何かというのは、検査までにはあまり詳しくは調べませんでした。サルコイドーシスというのは、体の中にサルコイド肉芽腫とよばれる顕微鏡単位の大きさの細胞塊が無数に出来るのだそうです。肉芽腫といっても腫瘍ではなく悪性腫瘍(がん)ではありません。原因は、わかっていないそうです。いろいろな臓器にできるそうなのですが、心臓に出来ると不整脈の原因となり、ごく稀ですが突然死を招く原因となる場合があるのだそうです。

 PET検査は、この“肉芽腫”細胞が、正常細胞に比べて多くのブドウ糖を取り込む、という性質を利用します。細胞の栄養となるブドウ糖グルコース)の一部を、フッ素18という放射性同位元素(アイソトープ)に入れ替えて標識したFDG(フルオロデオキシグルコース)を静脈注射し、この放射性同位元素からの放射線γ線ガンマ線)の場所や量から、病変を発見します。放射線を発する物質を体に入れる検査ではあるのですが、半減期(寿命)がとても短いので、暴露による体への影響はありません。Q大病院では、PETとCTを組あわせた検査なので、より精度が高い診断が可能とのこと。また、FDGは、注文発注のため、検査当日のキャンセルはできないので注意して下さいとのことでした。検査は午後2時前後に予定されています。

 ブドウ糖代謝を観察するため、検査前にできるだけ注射するFDG以外のグルコースが体内に残っていないようにする必要があります。心筋は、脳と違ってブドウ糖以外に、エネルギー源として、脂肪酸、糖、乳酸、など様々な代謝基質を利用することができます。なので、グルコースが含まれるご飯、パン、麺類、果物、ジュースは24時間前(前日の午後1時)から摂取禁止!そのかわり、お肉や魚、バターやチーズ、油、マヨネーズは18時間前までは積極的に取るよう言われました。先生からは、「内蔵を油漬けにしてね。トロや霜降り肉なんかがおすすめです。」と言われていました。青い野菜、卵、豆腐、無糖のヨーグルト、牛乳もOKなので、焼き肉にゆで卵、ホットミルクに、野菜サラダにマヨネーズ、チーズを晩ご飯(午後7時)にいただきました。この後、水とお茶等甘くない飲み物しか口にできません。つまり絶食です。「けっこう辛いですよ。」と先生に言われていたのですが、緊張していたせいかさほど空腹は感じませんでした。

 というわけで、Q大病院にてPET検査当日です。13:00に核医学・PETセンター受付に到着。地下一階で、上階の人の多さとは裏腹に、とても静かでした。スリッパに履き替えて、ひっそりとした待合室でテレビを見ながら待っていると、看護師さんが来られて検査の流れを説明されました。待合室には、私が待っている間、他に二人しかいらっしゃらず、お一人は付き添いの方のようでした。

 その後、移動してFDGを静脈注射。安全といいながらも放射性物質が含まれているからか、ガラス戸に穴があいていてその向こうにいらっしゃる看護師さんに腕を差し出して注射を受けました。そのあと個室で1時間の安静。オットマンのついたリラックスチェアに、羽毛のブランケットに、小さなテレビ。読書、編み物はダメ。テレビもぼんやーり見る感じで脳を休ませるように、眠ってもいいですよとのことでした。一応カメラで見ていますとのことだったのと、緊張もあったのか、少しウトウトしただけで、ぼんやりすごしました。そのあと、一回目の撮影。撮影の装置は見た目は普通のCTの機械と変わりなく、検査服に着替えるわけでもなく、検査台に横になって機械の中に出たり入たり、身動きなしで息を止めたりなど20分ほどで撮影終了。さらに2回目の撮影があるので、検査室出てすぐのさきほどと同じ設えの部屋で再び30分程度安静。トコロテン式に患者が移動して、スムーズに検査を進める仕組みのようです。2回目の撮影後、少し休んで4時少し前にすべて終了しました。お会計をして、食欲があるんだか無いんだかわからないままお握りを食べて、ヨロヨロになりつつも節分の恵方巻きを買って帰宅。

 FDGは代謝が大変早いので、お水をたくさん飲めば、その日のうちに体外に排出されるそうです。

 次回の受診は、2月10日にQ大病院で結果説明です。
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2016年11月2日記