この週末、夫の出張にひっついて大阪に出たので、私は実家に帰省。とんぼ返りでしたが、ゆっくり話ができました。日曜日は、夫と万博公園へ。
めったにみれない太陽の塔の後ろ側
国立民族学博物館で行われている展覧会を見に行きました。インド刺繍布のきらめき(企画展一覧)。特別展ではなく、企画展なので450円で見ることができました。展示物はガラスケースの中に納められているのではなく、平台や壁にに直接展示されています。もちろん触ることはできませんが、さまざまな刺繍の手法が、段階を追って刺しているものが木枠に張られていて、裏側も見ることができるよう工夫されていました。パソコンで現地の暮らしや作業の様子の動画もいろいろみることができます。明るい戸口に座り込んで、女性同士おしゃべりしながら刺繍をする様子、砂漠でラクダを放牧しながら一本の木の小さな木陰で一人ビーズ刺繍をする様子、どちらも素敵でした。
インド刺繍も地域によっていろいろ手法が違い、刺繍とキルトを組み合わせたものあり、アップリケあり、素材も貝や鏡を縫い止めたものあり、布も綿布、ウール、絹と様々です。共通しているのは、びっしり刺繍で埋めているにもかかわらず、布裏に渡る糸が少ないこと。チェーンステッチを多用し、サテンステッチのようなステッチも裏には糸を渡さず、繊維を数本すくって折り返し、糸を節約しています。裏から見ると輪郭が点々と見えるだけです。こうやって糸を節約し、さらに針に少し残った糸も、はぎれも、貯めておいて、タッセルのような房にしてビーズと組み合わせて飾り紐にしてサリーの後ろ側にたらしたり、バッグの飾りにしたりと、無駄無く利用しています。民博のコラム-インド西部の刺繍布
コレクションは、1970年代に疲弊した農村のインドの女性たちが、生活のために伝統的な刺繍作品を二束三文で売っている現状に心を痛めたB. B. バシン氏が、刺繍の技術によって暮らしが立つように活動をする中で集めたものを、民博が買い取ったそうです。前に読んだ「家なき鳥」のコリーの刺す刺繍の物語の背景に共通するものを感じました。会期は来年の3月末までなので大阪近辺の方はぜひ。
- 作者: グロリアウィーラン,Gloria Whelan,代田亜香子
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2007/04/01
- メディア: 新書
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