ジェイン・オースティンの手紙

「お姉様のレース編みはもうそんなにすすんでらっしゃるの?私はまだ絹糸さえも手に入れていませんのに。おねがい♪ロンドンかカンタベリーで買ってきてくださらない?お姉さまのより細い糸がいいのだけれど。」


メールならこんな感じでしょうか?昨日の日記にも書いた「ジェイン・オースティンの手紙」(岩波文庫 新井潤美訳)ですが、手芸ネタも満載です。手紙の片隅に、買ったレースの模様のイラストを描いて「幅はこれくらいでいいかしら」と訊ねたり、お仕立て中のドレスの詳細を書き綴って「布がたりるかしら?」と心配したり、とにかくなんでもお姉さんに相談したり報告しています。後には自分でもロンドンの出版社と交渉したりするほどしっかりしたジェインなのに手紙の中では、お姉さんに甘えきっています。


彼女自身もドレスや帽子に手を加えたり、編み物やハンカチを作ったりしていますが、ポプリンとかボンバジンとかクレープデシンとかなんだか素敵そうな布地の名前が、さっぱりわからないのが残念です。


糸関係でも、エジングやら手袋やらを、棒針で編んでいるのか、かぎ針なのか、はたまた、タティングなのか、文章からはわからないのが、もどかしいです。