貴婦人と一角獣のタピスリー

二日目は大阪方面へ

中之島国立国際美術館に行ってきました。お目当ては「貴婦人と一角獣」展。

フランス・パリにある国立クリュニー中世美術館の至宝「貴婦人と一角獣」は、西暦1500年頃に制作されたと言われる6面1組のタペストリーです。フランス語読みだと「タピスリー」。

鮮やかな赤い千花文様を背景に、若い貴婦人と一角獣が獅子や猿、オレンジやバラなどの動植物とともに繊細に表されています。それぞれが約3〜4メートル四方の大きさで、合わせると全長22メートルにもなる大作です。うち5面は「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」と人間の五感を表すとされますが、最後の1面「我が唯一の望み」の意味については、「第六感」「心」「知性」「精神」という説や、題名にもなっている中央の天幕にある銘文から「愛」や「結婚」ではないか、という説も。何通りかの解釈が可能で、いまだに謎につつまれています。

 本作がフランス国外に貸し出されるのは1974年のアメリカ以来で、日本では初公開。クリュニー中世美術館の改修が縁で実現したとのことなので、次の機会はもうないかもしれません。

文句なしによかったです。
写真ではわからない、ウールとシルクの質感、ドレスや表情の細かい表現をじっくり感じたり見ることが出来ました。眼福〜。修復も入っていて、下の方の傷みは色あせに出ているのですが、背景にちりばめられたお花やうさぎたちも500年前に織られたと思えないほど生き生きしていました。
トレイシーシュヴァリエの小説(読んだときの感想はこちら)では、工房は一カ所という設定でしたが、動物達の目の表現に明らかなにパターンがあって複数工房説も説得力があるなあと思います。

こんな写真コーナーもありました。