暖炉の火のそばで

ターシャ・テューダーの手仕事を紹介した「暖炉の火のそばで」(トーバ・マーティン著、リチャード・W・ブラウン写真)ISBN:4889914064した。。。紡毛機や機織機、手編みの道具など見ているだけで幸せになります。驚いたのは、羊の毛を刈るハサミや、木の削り台などが、「農場の少年」(ローラ・インガルス・ワイルダー)のガース・ウィリアムズの挿し絵とまったく同じこと!日本なら明治時代の生活にあたるのでしょうか。寺田寅彦の随筆にお祖母さんの思い出を記した「糸車」というのがあるのですが、日本には日本の糸紡ぎや染色の日常の風景があったことがこれを読むとよくわかります。(青空文庫で読めます→こちら

それはさておき、ターシャ・テューダーは「ピーター・ラビット」でお馴染みのビアトリクス・ポターの影響をその絵に受けているそうです。写真の下側に写っているのが大事にしているビアトリクス・ポターの画集です(Beatrix Potter's ART 出版社FREDERICK WARNE)。ポタ−はネズミを主人公にするのもかなり好きだったみたいで、この本にはネズミの絵がいっぱいです。三匹のネズミさん達が足踏みの紡毛機で麻を紡いでいます。そこをネコが覗き込み、ネズミさん達は大慌てで、それでも紡毛機を抱えて逃げ出しています。この絵は絵本にするために描かれたようなのですが、残念ながら出版はされなかったようですが、原画はThe Victoria & Albert Museumに所蔵されています。このネズミさんが手仕事をするモチーフは後に「グロースターの仕立て屋」に生かされたそうです。私はこの「グロースターの仕立て屋」のお話が大好きなんです。最近、好きなものがどんどんつながってきています。