ここ数年は西洋の歴史物ばかり読んでいますが、学生の頃は吉川英治の『三国志』や、日本の歴史ものが好きでした。
少し前にテレビで『レッドクリフ』を見て、なんだかどっと記憶が蘇ってきました。金城武さんの孔明役お似合いでした。
で、昨日読み終わったのが、
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『レッドクリフ』、三国志ってこんなにありえない設定だったっけ?と唖然としながら見入ってしまったのですが。まあ本でも、一人で千人と戦うとか出てくるんですが、あらためて映像で見るとね、そういう所とは別に結構本筋にかかわるところで「三国志演義」や「三國志」にもつじつまが合わないところや、しれっと飛ばしてるところがあるようで、だからこそ、長年のうちにいろいろな解釈が加わって物語として多くの読者や作家を惹き付けているようです。
『レッドクリフ』の一場面。孫権の妹の孫尚香に、劉備が鼻の下を伸ばしている場面で、尚香が「なによこのオヤジ」みたいな感じで気功?ツボ押し?みたいな技をかけて失神させてしまうんです(もちろん、これは映画上の演出)。その場面で孔明は「あ〜、あぶないな。やるな、これは。あーやっちゃた。」みたいな表情(←ちょっと性格悪し)を見せるんですが、酒見さんの描く孔明は、私に取ってはこのイメージ。
電車の中で、ちびちび読んでいましたが、おもしろく読めました。
最近の大河ドラマの主人公たちのように「民の平穏な暮らしと平和」を常に望んでいる、ということが本当でないように、今の基準で当時の人の心情や行動をおしはかっちゃうと「三国志」なんて、戦争ばかりで、楽しく読むなんて事は出来ません。『三国志』って女の人があんまり出てこないので、そこも少しつまらないのですが、当時の武将にとって「妻子は衣服のごとし」だったみたいで、戦に負けて死なせてしまったら、また、迎えればいい存在。
酒見さんはそのあたりも、茶々やつっこみをいれながら、歴史としての三国志と、物語としての三国志を、うまく、語ってくれているなあと思いました。