ウメノキゴケ染め上がりました

1月20日に仕込んだウメノキゴケで染めてみました。仕込みの詳細はこちらと、こちら。染め原液はこんな感じです。
   


ぶどうジュースのような赤味のある濃い紫色ですが、原液のままだと真っ黒にしか写らないので3倍くらいに薄めてあります。染めるときもこのくらいの濃度で行いました。匂いはもう飛んでいましたが、煮ている時はそこはかとなく臭っていたかもしれません。



染め上がった羊毛です。一番右側が、ロムニーを30g染めたもの。1番染め液と3番染め液で二度染めしています。左側二色が、シェットランドをそれぞれ15g染めたもの。染めは2番染め液で同じ鍋でおこない、軽くすすいだあと、乳酸を少したらした水に10分程浸けておいたものがピンク色のもの、同じようにアンモニアで処理をしたものが藤色のものです。酸性処理で赤味が、アンモニア処理で青みがでます。参考にした資料には、氷酢酸とかいてありましたが、酒石英でもクエン酸でも要は酸なら大丈夫だと思います。アンモニア処理の方は染液の原液を作った際に、容器の中にほんの数滴残ったものを使ったので、効果があったかは不明。処理しなくてもこの色かもしれません。ロムニーの方は、ナチュラルカラーのチョコレート色やブラウンと合わせて編み込みに使いたかったので、強い色を求めていました。1番染めは、色はきれいな色だったのですが、物足りない気がして二回染めを行い、酸性処理をしています。その分、フエルト化が進んでしまいました。あと、うっかりしていてもう少しで、羊毛のつくだ煮を作ってしまうところでした。気がつくともうぎりぎり染め液に浸かっているというくらいに鍋の水分が減っていました。


  
梳くとこんな感じです。満足です。3回も染めた残り液、まだとってあるのですが、少しならまだ染められそうです。冷凍保存できるかどうかの実験をしてみようと思います。ウメノキゴケのカスを濾すのにはストッキングタイプの三角コーナー用ネットが目が細かくて二重にもできて便利でした。

今後の課題としては、酸性処理、アルカリ処理を、部分的にすれば多色染めができるのか?ということの確認があります。さらに、糸にしてから染めるか、羊毛の状態で染めるか、草木染めのジレンマですね。糸にしてからだと染めムラが、羊毛ですとより止めでもう一回熱をかけることになり予期せぬ変色が、不安です。以上、研究報告でした。

参考:地衣類染色法 寺村祐子(ライケン5(1): 2-4, 1982)。