- 作者: ケイトモートン,栗原百代
- 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
- 発売日: 2009/10/16
- メディア: 単行本
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国や背景が共通するカズオ・イシグロ「日の名残り」や、 イアンマキューアン「贖罪」とつい比べちゃうのですが、実際作者も後書きで「日の名残り」を挙げてらっしゃいます。きっと「贖罪」も読んでいるはず。この二作よりは若干、甘めな味付けになっています。ここ伏線だろうな〜というところはけっこうわかっちゃううし。。。。ちょっとできすぎな顛末もあったり、ロマンティックな余韻にも浸れます。
過去を振り返る物語なので、読者も、悲劇がやがて訪れることはわかっているのです。でも、違った未来があったのかもしれない。そんな、グレイスの逡巡を追体験するように、ゆっくり読むのがおすすめです。