- 作者: ピーター・トレメイン,甲斐萬里江
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2009/11/10
- メディア: 文庫
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「蛇、もっとも禍し」は、作品世界の時系列的には既に出ている「幼き子らよわがもとへ」と「蜘蛛の巣」との間にあたります。物語は基本的には独立しているので問題はないのですが、原作とは異なる刊行の順番なのでちょっと混乱します。翻訳の順番がアレなのは原作の1作目の舞台がローマでアイルランドを舞台にしたシリーズなのにそれはちょっとということらしいです。
それはともかく、前作2作は、前半こちらが理解しなければならない国同士の背景やら法律に関することが多くて、読むのが大変だったのですが、「蛇、もっとも禍し」は、物語が走るスピードが速くて、楽しめました。
フィデルマが生きた時代は、7世紀のアイルランド。この三作は666年から7年のお話。日本だと飛鳥時代、壬申の乱のちょっと前。そう考えるとフィデルマは高い教養の持ち主だけれど、日本だって聖職者以外にも文字が書けたり当時の外国語である漢籍を読める女性はいっぱいいたはずだから負けてないはず。でも、仕事が持てない、屋敷の外に出られないでは、フィデルマのようなヒロインは日本が舞台だと難しいかなあと思っていました。でも、あったんです。少し時代は下りますが紫式部が謎を解く「千年の黙(しじま) 異本源氏物語」森谷明子をちょっと前に読みました。そっか、宮仕えがあるじゃん!
- 作者: 森谷明子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2009/06/25
- メディア: 文庫
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