フィンランドとロシア

フィンランド豊かさのメソッド (集英社新書 (0453))

フィンランド豊かさのメソッド (集英社新書 (0453))

ひさしぶりに新書を読んでいます。夫が買っていたものを夫より先に読んでしまいました。2時間くらいで手軽に読めました。手芸の分野でも北欧は人気ですが、「教育」でもフィンランドスウェーデンは注目されています。真剣に情報を得たい方には内容がちょっと物足りないようにも感じましたが、アマゾンの書評でも好意的なものが多いです。著者のフィンランドへの愛情が感じられてさわやかな本でした。もちろん、いい面ばかりではなく税金が高くて、失業率も高くて、医師は不足ぎみ、効率化で労働力を極力抑えているので日本のような「おもてなし」は望めないなどがあります。ただそれを国民が受け入れられるほど、福祉が手厚く、政治的な腐敗もないそうです。教育にも力を入れていて生徒間、学校間の学力差がない(私立高校はない)。実際には日本以上に学歴社会とのことなのですが、それは目指す職業につくためには高校、職業専門学校、大学、大学院というそれぞれのレベルをクリアしないとその職業に就けないから。高卒であることは外国語があるていどできてあたりまえということ。言語系の学科に進学しようとすれば大学入学時点でかなりの語学能力が必要とのこと。高校や大学の卒業がイコールその分野の能力や専門性を保証できていることなど驚きを持って読みました。フィンランドには「学生時代もっと勉強しておけばよかった」ということはないのかもしれません。


犬が星見た―ロシア旅行 (中公文庫)

犬が星見た―ロシア旅行 (中公文庫)

先輩がとっても面白いよ〜と勧めてくれてから読むまでに随分時間がかかってしまいました。1982年の本なので、一時期は本屋の棚からなくなっていたようです。名著刷新フェアということで増刷されたようです。昭和44年のロシア旅行の日記です。横浜から船でナホトカへ、ナホトカからハバロフスクまでは鉄道、そこからは空路でイルクーツクウズベキスタングルジアさらにモスクワへという1ヶ月近くのツアー旅行。


まったくこの人たちは、ずーっとお酒を飲んでいます。「どこへ着いても、何よりも先に酒を手にいれておくこと」という一文もあります。


写真付きの旅行記も好きですが、文章だけで書かれた旅行記も素敵です。著者武田百合子さんはとてもおおらかなかわいらしい方で、読んでいて思わずにっこりするところも多いです。飛行機の遅れで、同行の夫君がどうしても行きたかった都市にいけなくなってしまって、しょげ返っていた時に「私たちで、別行動にしてもらいましょうよ。私、ロシア語うまいよ。通じるよ」おっしゃるのですが、百合子さんロシア語の描写は「カチャクチャペチャクチャカチャ」なんですけど。。。。

百合子さんが旅の中で出された食事をなんでも口にして粗末にしないところも尊敬。